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2009年8月4日火曜日

エルの楽園 SIDE:A/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

誰かの呼ぶ聲が聞こえた

少女はそれで目を覚ます

心地よい風に抱かれて

澄んだ空へと舞い上がる

誰かがね 泣いているの


それは気のせいかしら?

「そうよ 気のせいよ」

もう そう言う事じゃないわ

「じゃぁ風のせいかしら」

楽園で泣くはずないわ

「そうよ 泣くはずないわ」

だって楽園なんだもの

「楽園なんだもの」

何處かでね 泣いているの


悲しみも苦しみも

「そうよ 此處にはないわ」

幸せ満ち溢れる世界

「そう それが楽園」

楽園で泣くはずないわ

「そうよ 泣かないで」

だって楽園なんだもの

「楽園だからこそ」

本當はね 知っているの


「第四の地平線、その楽園の正體は…」


空は荒れ 木々は枯れて 花は崩れ朽ち果て

腐敗した大地が闇の底へと墮ちてゆく

Eは生まれEは痛みEは望みの果て

安らぎの眠りを求め なお墮ちてゆく


Ark…

箱舟に託された願い達は


Baroque…

歪んだ戀心のままに求め合い


Yield…

理想の収穫を待ち望みながらも


Sacrifice…

多大な犠牲を盲目のうちに払いつづけ


StarDust…

ついには星屑にも手を伸ばすだろう


「挾み込まれた四つのEに惑わされずに垂直に墮ちれば其處はAbyss」


何處から來て何處へ行くの 全ては彼の夢

差し出された手に気づかないままに 墮ちてゆく

Eは生まれEは痛みEは望みの果て

安らぎの眠りを求め なお墮ちてゆく


「男性と歌う幻想背徳をつむぎつづけるロマンス。

痛みを抱くために 生まれてくる悲しみ。

幾度となく開かれる扉。第四の地平線。

その楽園の名はエリュシオン…またの名をAbyss」

StarDust/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

「彼女こそ私のEなのだろうか」


お揃いね私達

これでお揃いねあぁ幸せ…StarDust


女は物言わぬ可愛いだけの人形じゃないわ

愛しい愛で解って

自尊心 満たすための道具じゃないわ

月夜のアナザーは勝手


首を締めれば締まるに決まってるじゃない

胸が貴方を曇らせる

だってしょうがないじゃない 愛してしまったんだもの

ステラな私を 狂わせたのはなぜ?


真っ赤なドレス 真っ赤なヒール

真っ赤なルージュ 真っ赤なローズ

すれ違う男たち 誰もが振り返る

左手には花束 右手には約束よ

走り出した衝動 もう止まらない


お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ

あなたの白いシャツも 今は鮮やかなスカーレット


お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ

屑でも構わないわ いつか星になれるなら


「『輝いてる?ねぇ私輝いてる?』

綺麗な星空で、それは艶やかな女のため息。

『君の方が綺麗だよ』それは甘い男の囁き。

夜空を見上げる戀人達。ありふれた風景。

繰り返される戀模様。ほんの些細な事。

そんな気まぐれな一時も永遠だと信じたりして。

そんな不確かなものを運命だと信じたりして。

泣いたり、笑ったり、愛したり、憎んだりして。

そのつかの間、遙か過去の光に思いをはせたりして。

あの星々達はもう滅んでしまっているのだろうか。

それとも今もまだ滅びに向かって輝き続けているのだろうか。

光年という名の途方もない尺度の前では、

人の一生など刹那の幻に過ぎないのかも知れない」


「そんな些細な人。されど偶然とはいえ―――

あぁ偶然とはいえ彼女は見てしまった。

お揃いの白い服を着て幸せそうに寄り添い歩く、

彼と、見知らぬ女の姿を」


お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ

あなたの白いシャツも 今は…


「なぜ…?なぜなの…?なぜなのよーー!!」


酸素に觸れた赤はやがて黒に近づき示す

二人はもう永久に一つには なれないという事実を


傷ついた輪廻の星々 燃え上がる滅びの煌きを

私から封印の夢を見る 私を導け The Light of StarDust


「思い出を過去の光として埋葬できないように。

孤獨な亡霊は荒野を彷徨い続けるだろう。

女の手は悲しいほどに短く星屑には屆かない。

あぁその手を握り返したのは仮面の男だった」

エルの絵本「笛吹き男とパレード」/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

「そのパレードは何處からやって來たのだろうか」


「あぁそのパレードは何處までも続いてゆく」


「おぉ友よ、罪もなき囚人達よ。

我等はこの世界という鎖から解き放たれた。

來るものは拒まないが去るものは決して許さない。

黄昏の葬列。楽園パレードへようこそ」


パレードは何處までも続いてゆく

世界の果てを目指して

先頭で仮面の男が笛を吹く

沈む夕日に背を向けて

La La パレードは何處までも続いてゆく

世界の果てを目指して

男の肩に座った少女が歌う

その笛の音に合わせて

心に深い傷を負った者にとって抗えない魔性の音


「やぁ友よ幸薄き隣人達よ。

我等はこの世界という鎖から解き放たれた。

來るものは拒まないが去るものは決して許さない。

仮初の終焉。楽園パレードへようこそ」


パレードは何處までも続いてゆく

世界の果てを目指して

燃えるような赤い髪の女が踴る

沈む夕日に背を向けて

La La パレードは何處までも続いてゆく

世界の果てを目指して

グロイ首吊りピエロのタトゥーが笑う

彼の笛の音に合わせて

心に深い闇を被った者にとって逆らえない魔性の音


笛の音に誘われ一人また一人列に並んでゆく

やがてそのパレードは 夕日を遮って地平線を埋め盡くす


「例えば、箱舟を信じた少女…

例えば、歪んだ真珠の乙女…

例えば、収穫を誤った娘…

例えば、妹を犠牲にされた姉…

例えば、星屑に踴らされた女…

誰も仮面の男Abyssからは逃げられない」


「ごきげんよう、可哀想なお嬢ちゃん。

楽園パレードへようこそ」


笛の音を操って一人また一人列に加えてゆく

やがてそのパレードは夕日を裡切って地平線を焼き盡くす


「そのパレードは何處までも続いてゆく…

そのパレードは何處へ向って行くのだろうか…」

Sacrifice/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

「彼女こそ私のEなのだろうか…」


Sacrifice Sacrifice

Sacrifice Sacrifice


無邪気な笑顔が愛らしい妹は

神に愛されたから 生まれつき幸せだった

一人では何も出來ない可愛い天使

誰からも愛される 彼女が妬ましかった

器量の悪い私を 哀れみないでよ

慘めな思いにさせる「あの子なんて死んじゃえばいいのに」


Sacrifice Sacrifice

Sacrifice Sacrifice


あくる日妹は 高熱を出して寢込んだ

ごめんなさい 神様あの願いは嘘なんです

懺悔が屆いたのか やがて熱は下がった

けれど今度は母が病のふちに倒れた

母が今際の時に殘した言葉は

あの子は人とは違うから 貴方が助けてあげてね


Sacrifice Sacrifice

Sacrifice Sacrifice


母が亡くなって 暮らしにも変化が訪れ

生きるために私は 朝な夕な働いた

村の男達は 優しくしてくれたけど

村の女達は しだいに冷たくなっていった

貧しい暮らしだったけど 温もりがあった

肩を寄せあい生きてた それなりに幸せだった


それなのにどうして こんな殘酷な仕打ちを教えて神様

あの子が授かった子は 主が使わしたのか

神の御子ではないのでしょうか


「妹が子供を身篭っていると発覚した夜。

村の男達は互いに顔を見合わせ口を噤んだ。

重い靜寂を引き裂いたのは、耳を疑うような派手な打音。

仕立て屋の若女將が妹の方を張り飛ばした音。

泥棒猫。可愛そうな子だ。世話を焼いて。恩知らず。

斷片的な記憶。斷罪的な罵聲。」


「あぁこの人は何を喚いているんだろう、気持ち悪い」


「ぐらりと世界は揺れ、私ははじけ飛ぶように若女將に掴みかかっていた。

赤く染まった視界。苦い土と錆の味。頭上を飛び交う聲。神父様の怒聲。

純潔。悪魔の血に。災いの種。マリア様が。誰もガブリエル。火炙り」


「あぁ、悪魔とはおまえ達の事だ!」


「そして妹は最後に『ありがとう』と言った」


心無い言葉 心無い仕打ちが

どれほどあの子を傷つけただろう

それでも全てを優しい子だから

全てを許すのでしょうね


「E私は絶対許さないから」


「この世は所詮、楽園の代用品でしかないの?

罪深きものは全て、等しく灰に還るがいい。

裸足の娘。凍りつくような微笑を浮かべ。

揺らいだ炎。その闇の向こうに仮面の男を見ていた」

エルの天秤/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

「殺人、竊盜、誘拐、密売。

悪魔に魂を売り渡すかの様に、金になる事なら何でもやった。

問うべきは手段ではない。その男にとって目的こそが全て。

切実な現実。彼には金が必要だった。

傾き続けてゆく天秤。その左皿が沈みきる前に、

力盡くでも浮き上らせるだけの金が右皿には必要だった。

そしてその夜も天秤は仮面を躍らせた」


闇を纏うように 夜のしじまを探り

目と目を見つめ合って

ロマンティックな月明かりに

そっと唇重ね息を潛めた


慌ただしく通り過ぎる 追手達をやり過ごし

手と手を取り合って

ドラマティックな逃避行為に

酔った二つの命 愛に捧げた


さよなら

権力の走狗共には便利なカード

さよなら

娘を売れば至尊への椅子は買える


身分違いの戀 許されないと知っても

雄と雌は惹かれあった

サディスティックな貴族主義を蹴って檻を抜け出す

あぁ、それは悲劇

運命はボードの上で 支配力を求めて

生と死は奪い合った

ドラスティックな追討劇を 笑う事こそ人生

あぁ、むしろ喜劇


さよなら

コインで雇ったものが裡切る世の中

さよなら

他人ならば不條理と責めるは慘め


「楽園への旅路。自由への船出。逃走の果てにたどり著いた岸辺。

船頭にふんした男が指を鳴らすと、黒衣の影が船を取り囲んだ」


『お帰りの船賃でしたらご心配なく。既に十分すぎるほど頂いておりますので。

けれど彼はここでさよなら。

殘念だったね―――』


娘さえ無事に戻るならばそれで良い

男の方などバラしても構わんわ

一度も目を合わせずに伯爵はそう言った

コインが詰まった袋がテーブル叩いた


いつも人は何も知らない方が幸せだろうに

けれど人は求めるかぎり全てを知りたがる

なぜ破滅へと歩みだす


「華やかな婚禮。幸せな花嫁。

運命の女神はどんなシナリオを好むのか。

虚飾の婚禮。消えた花嫁。

破滅の女神はどんな微笑みも見逃さない。

あぁ燃えるように背中が暑い。

その男が伸ばした手の先には何かが刺さっていた。

あぁ赤く染まった手を見つめながら、

仮面の男は緩やかに崩れ落ちてゆく。

あぁその背後には娘が立っていた。

淒まじい形相で地についた男を凝視している。

あぁ一歩後ずさり何か叫びながら、

深まりゆく闇の中へと走り去っていった。

徐々に薄れ行く意識の水底に、

錆付いた鍵を摑もうと足掻き続ける。

扉は目の前にある。

―――急がねば、

もうすぐ…もうすぐ約束した娘が」

2009年8月3日月曜日

Yield/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

「彼女こそ私のEなのだろうか…」


一人娘はせっせと種を蒔く

変わらぬ過去に 訪れぬ未來に

不毛な行為と君は笑うだろうか?

それなら君は 幸せなんだろうね…

根雪の下で春を待つの 夏が過ぎれば実りの秋ね…


豊穣...収穫...それは果実を育む

最も遅い収穫...それは甘い果実を育む


一夜限りの情事でも構わない

それをも女は 永遠に出來るから

不毛な戀と君は笑うだろうか?

やっぱり君は 幸せなんだろうね…

凍える夜は夢を見るの 夏が過ぎれば想いが実る…


豊穣...収穫...それは果実を育む

最も遅い収穫...それは甘い果実を育む


「3...不安定な數字。3...模範的な數式。

問題となるのは個の性質ではなく、唯記號としての數量。

世界が安定を求める以上、早くどれか一つを引かなければ…」


何故人間は戀をする

相応しい季節に出會えないの?

嗚呼...お父さんお母さん


「それでも私は幸せになりたいのです…」


戀心 甘い果実 真っ赤な果実

もぎ獲れないのなら 刈り取れば良いと…

戀心 甘い果実 真っ赤な果実

嗚呼...でもそれは首じゃないか…


「二人の女。一人の男。一番不幸なのは誰?

落ちた果実。転がる音。余剰な數字。引かれる音。

...最後に現れたのは仮面の男。

彼らが消え去った後、荒野に一人取り殘されるのは誰?」

エルの肖像/SOUND HORIZON-Elysion楽園幻想物語組曲

白い化粧の寶石は 風を纏って踴る

樹氷あの円舞曲 遠く朽ちた楽園

黒い目の少年は 風を払って通る

樹氷あの並木道 深い森の廃屋


少年が見つけた 少女の肖像畫

彼は病的に白い 彼女に戀をしてしまった


幼い筆跡のサイン 妙に歪なタイトルは

最愛の娘 エリスの八つの誕生日


「奈落へと至る幻想。背徳をつむぎつづけるロマンス。

痛みを抱くために生まれてくる悲しみ。

第四の地平線。その楽園の名はElysion。

そして幾度目かの楽園の扉が開かれる」


やがて少年は彼の《理想》を求めるだろう

やがて少年は彼の《鍵穴》を見つけるだろう

やがて少年は彼の《楽園》を求めるだろう

やがて少年は彼の《少女》を見つけるだろう


娘もまた母になり 娘を産むのならば

楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す


始まりの扉と終わりの扉の狹間で

惹かれ合うE(エリス)とA(アビス) 愛想の肖像


禁斷に手を染め 幾度も戀に墮ちていく

求め合うEとA 愛想の肖像


「やがて少年は男のために自らを殺し、

少女は女のために自らを殺す。

時の荒野を彷徨う罪人達は、

其處にどんな楽園を築くのだろうか。

幾度となくElysionが見せる幻影。

それは失ったはずの楽園の面影。

あぁ、その美しき非業の世界は、

幾つの現像を走らせていくのだろう」