「彼女こそ私のEなのだろうか…」
Sacrifice Sacrifice
Sacrifice Sacrifice
無邪気な笑顔が愛らしい妹は
神に愛されたから 生まれつき幸せだった
一人では何も出來ない可愛い天使
誰からも愛される 彼女が妬ましかった
器量の悪い私を 哀れみないでよ
慘めな思いにさせる「あの子なんて死んじゃえばいいのに」
Sacrifice Sacrifice
Sacrifice Sacrifice
あくる日妹は 高熱を出して寢込んだ
ごめんなさい 神様あの願いは嘘なんです
懺悔が屆いたのか やがて熱は下がった
けれど今度は母が病のふちに倒れた
母が今際の時に殘した言葉は
あの子は人とは違うから 貴方が助けてあげてね
Sacrifice Sacrifice
Sacrifice Sacrifice
母が亡くなって 暮らしにも変化が訪れ
生きるために私は 朝な夕な働いた
村の男達は 優しくしてくれたけど
村の女達は しだいに冷たくなっていった
貧しい暮らしだったけど 温もりがあった
肩を寄せあい生きてた それなりに幸せだった
それなのにどうして こんな殘酷な仕打ちを教えて神様
あの子が授かった子は 主が使わしたのか
神の御子ではないのでしょうか
「妹が子供を身篭っていると発覚した夜。
村の男達は互いに顔を見合わせ口を噤んだ。
重い靜寂を引き裂いたのは、耳を疑うような派手な打音。
仕立て屋の若女將が妹の方を張り飛ばした音。
泥棒猫。可愛そうな子だ。世話を焼いて。恩知らず。
斷片的な記憶。斷罪的な罵聲。」
「あぁこの人は何を喚いているんだろう、気持ち悪い」
「ぐらりと世界は揺れ、私ははじけ飛ぶように若女將に掴みかかっていた。
赤く染まった視界。苦い土と錆の味。頭上を飛び交う聲。神父様の怒聲。
純潔。悪魔の血に。災いの種。マリア様が。誰もガブリエル。火炙り」
「あぁ、悪魔とはおまえ達の事だ!」
「そして妹は最後に『ありがとう』と言った」
心無い言葉 心無い仕打ちが
どれほどあの子を傷つけただろう
それでも全てを優しい子だから
全てを許すのでしょうね
「E私は絶対許さないから」
「この世は所詮、楽園の代用品でしかないの?
罪深きものは全て、等しく灰に還るがいい。
裸足の娘。凍りつくような微笑を浮かべ。
揺らいだ炎。その闇の向こうに仮面の男を見ていた」
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