2009年8月3日月曜日

period/少女病-葬月エクレシア

失くした過去は記憶の中

どうしてこんなにも

美しく再生されるのだろう


手に入らない未来を

どうしてこんなにも

求め続けてしまったのだろう

逃れるように


全ての旋律(melody)は色を無くし

手のひらから零れていった


失い続けていた

綻びに気づかぬまま

大切な娘の声も今は 記憶へと消えて……


手の届かない幻想に

どうしてこんなにも

心奪われ続けたのだろう

呪いのように


いつかの旋律は月に溶けて

手のひらには何も残らず……


失い続けていた

自らの存在さえ

愛してた精霊姫(Alice)の居る世界は もうなかったのに……


『死の先にあったはずの未来。そうあるべきだと信じた明日。

全ての生は不平等に。全ての死は平等に……』


「嗚呼──」


『黒い雪は、何もかもを覆い隠すように、いつまでも降り続ける。

それは、悲しいまでに美しいシークエンス』


どこまでも失い続けていた

過ちに気づかぬまま

大切な家族のいる空まで 僕もさあ行こう……


無慈悲な 黒雪は静かに

視界を 埋めて……

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