『降り積もる黒雪は、凶兆の嚆矢。
その雪の色をも視ることができない盲目の少女は、
ただ声に誘われるまま、白の教会へ……
さあ、歌いましょう?全てを取り戻すために──』
凍てついた 黒い雪が舞う
盲目の少女はただ 傷跡を隠すように
余韻に満たされた想い 残像を宿して
閉ざされた 宵闇の世界照らした
微かなヒカリ 目指して
失われた 幾千の理想(ideal)
壊れた瞳に消えた
手の届くことのない現実(real)求めて
彼方にまで 往け──
残酷な 遠い蜃気楼
跪く少女にだけ 黒雪の果て誘うように
緋色に輝いた月に 幻想を宿して
奪われた 未来への希望示した
小さな声を 手繰って
救いのない 幾千の物語(story)
その一欠片でなんて
終わらない この先のヒカリ 辿って
闇を抜けて……
『雪の中健気に咲く小さな天人花(ミルテ)。
少女と同じ名を持つその花は、弱々しく、今にも吹き飛んでしまいそうで……。
少女は、その花を。そして自らを強く掻き抱くようにして、空を仰いだ』
失われた 幾千の理想
壊れた瞳に消えた
手の届くことのない現実 求めて
彼方にまで さあ──
『耐えるように咲いていた花も雪に溶けるように散っていく中、少女はやがて力尽きる。
涙を凍らせたまま、声もなく叫ぶように』
「夢見たヒカリに手を伸ばしながら……」
「あれ、もう死んじゃうの……?」
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